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世界の離婚率ー40年間で2倍ー

カリフォルニア大学アーバイン校の社会学者、Cheng-Tong Lir Wang氏とEvan Schofer氏は、世界84カ国での約40年間の離婚データ(1970 - 2008年)を分析しました。彼らは時代による離婚率の変化と場所によって異なる離婚率を調べました。彼らの報告書、「Coming out of the penumbras: World culture and cross-national variation in divorce rates」は、「Social Forces」の201812月号に掲載されました。f:id:abidal:20190205083201j:plain


心理学者が誰かの夫婦が離婚しそうかどうかを理解するために使用するアプローチは、教育、雇用、収入、結婚年齢など、個人の人生経験と選択を調べることです。社会学者のWangSchoferは、国の経済発展のレベルや労働者に占める女性の割合など、離婚率に関連すると思われる社会的要因に関心を持っていました。二人はまた、人権や男女平等への信念など、世界の規範や価値観についてや、またそれが離婚率と何か関係があるかどうかについて研究したいと考えていました。


彼らの離婚率の基準は、1,000人の既婚者ごとの合法的に登録された離婚の数でした。彼らは、夫婦あたりの離婚数(個人ではなく)など、他の方法に興味を持っていましたが、より多くの国が彼らが使用した方法に関連するデータを持っていました。 (研究者たちはたいてい重要な別の問題に取り組まなかった:結婚した人の何割合が離婚してしまうだろうか?という問いである。)




世界的な離婚率の伸び


世界全体では、1970年から2008年までの40年間で、離婚率は倍増し、結婚した1000人当たりの2.6人から5.5人になりました。それらの結果は彼らが研究した世界のすべての地域の平均値です。




◉世界の地域によって異なる離婚率


年間および全地域の平均離婚率は、既婚者1000人当たり4.08人でした。離婚率はスリランカで最低値0.45、ペルー0.46から、カザフスタンで最高値19.01、ロシア11.49キューバ11.03にそれぞれ及んだ。 84カ国のうち83カ国の離婚率はこの記事の最後にあります。米国は除外しました。「極端なはずれ値」だからです。米国から回答が得られれば追加します。)


スカンジナビア諸国を含む北ヨーロッパと西ヨーロッパの離婚率はすべてかなり高く、フランスでは4.03からデンマークでは6.22、イギリスでは6.55です。例外はアイルランドで、結婚した1,000人の人々ごとにわずか1.94の離婚率です。カナダ(5.25)、オーストラリア(5.61)、ニュージーランド6.29)も離婚率が高いです。


南ヨーロッパの離婚率はかなり低く、イタリアの0.93からスロベニア2.57までさまざまです。ラテンアメリカカリブ海諸国では、キューバ11.03)、プエルトリコ9.43)、ドミニカ共和国9.33)を除いて、ほとんどが低値です。


東アジアと太平洋諸国もまた低水準で、離婚率は中国の1.13から香港の3.97までの範囲です。


中東および北アフリカ諸国では、離婚率はイランとシリアの1.801.98からエジプトとクウェート4.274.68の範囲です。


東ヨーロッパと中央アジアの国々の率はかなり変わりやすいです。





◉離婚率の高い国は何が違うのか



離婚率の高い国々はより高いレベルの経済発展を遂げています。離婚率を一番推測できるもののひとつに、国の国民総所得(一人当たり)があります。より裕福な国では(国民総所得で測定)、より多くの人々が離婚します。



女性(15歳以上)が労働者に占める割合が高い国ほど離婚率が高い。



離婚率の高い国々の人々はより高度な教育を受けています。中等教育に登録されている人の数が多い国ほど離婚率が高くなります。



離婚率の高い国々ではカトリック教徒の割合が低いです。それに比例してカトリック教徒が多い国ほど離婚率が低くなります。ムスリムの割合が高い国ほど離婚率が低いですが、結果は必ずしも統計的に有意とは限りません。



離婚率の高い国々は国際的な組織や条約の一員である可能性が高いです。著者らは、各国が国際的な非政府組織や条約に署名する際には、個人の権利、同意の重要性、自分自身の運命を選択する自由など、世界的な規範やアイデアの影響を受けやすいと考えています。その一例が、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(CEDAW)です。 CEDAWの批准は、その国の「個人主義と男女平等の文化的原則へのコミットメント」の表れであると考えています。国際的な非政府組織の加盟率が高い国や条約は、離婚率が高くなっています。




なぜ離婚の話はラブストーリーになることがあるのか?


離婚は、大人だけでなく、子供にとっても壊滅的な経験になる可能性があります。しかし、結婚生活を送るという選択のほうがひどいときは、生きる力を与え、時には命を救う選択にもなり得ます。


一部、結婚は虐待的であり、大人と子供の感情的および肉体的幸福、そしてさらには生存に危険をもたらします。特に結婚や虐待的な配偶者からの脅威以外の不確実な生活に直面して、そのような結婚を続けることは、あなた自身とあなたの子供(いる場合)のための愛の行為である可能性があります。


人々が悪い状況から離れるに相応しいほど自分自身を愛しているとき、離婚はラブストーリーになることができます。


人々は再びロマンチックな愛を見つけることができると信じるとき離婚はラブストーリーになることができます。


人々がすでに最大の、最も広い意味での愛を持っていることに人々が気づくとき、離婚はラブストーリーになることができます。おそらくその人は愛する友人と愛する家族を持っているでしょう。多分その人は愛のロマンチックな形がただひとつの形であり、それにむしろそれが狭いものであることを知っている。その人にとってとても重要な友人や家族は、前の配偶者よりもずっと長い間一緒にいたのかもしれません。


結婚生活以外で自分たちの生活が愛おしく思えるときに離婚はラブストーリーになることができます。たぶん他のどの人生よりも独身生活を愛しています。おそらくそういう人は特に一人暮らしが大好きです。


経済発展、労働力における女性の増加、および教育の拡大により、世界中でますます多くの人々が離婚する可能性があります。彼らには、結婚以外で自分たちを支えるためのスキル、知識、そして資源があります。人間は権利と選択を持ち、男性と女性は自分の運命を平等にマネジメントできると主張する規範や価値観が世界的に広まっているため、ますます多くの人々が離婚の選択肢を真剣に受け止めています。


このプロセスの次のステップは、まったく結婚せず、ますます多くの人々が選択肢を持つこと、そして選択肢を持つことを実感することです。ひとり暮らしが恥ずかしいものでなくなると、ひとり暮らしが好きな人はもっと簡単に一人暮らしすることを選ぶことができます。結婚したい人も有利になるでしょう。結婚したい人は自身を持って結婚を追求することができます。一人暮らしが現実的で尊敬され、有意義で充実したものとして認識されているとき、結婚したい人はすぐに結婚にたどり着くことはできません。そういう人は絶望しても危険でロマンチックな相手に飛び込むことはありません。


結婚したい人はより良い選択をするかもしれず、その結果離婚する可能性は低くなります。世界中の多くの国々でますます当たり前となってきている個人の権利、選択、自由、および個人的な価値観および慣行を手離さないで、人々(および子供がいる場合はその子供たち)は離婚のつらさを回避するようになるでしょう。



1970 - 2008年の83か国の離婚率


(既婚者1000人当たりの離婚数)


国・離婚率


地域


01カザフスタン19.01EE


02、ロシア、11.49EE


03キューバ11.03LA


04プエルトリコ9.43LA


05ドミニカ共和国9.33LA


06エストニア8.43EE


07ベラルーシ8.31EE


08ウクライナ8.02EE


09リトアニア7.64EE


10ラトビア7.13EE


11モルドバ6.81EE


12、イギリス、6.55WE


13チェコ共和国6.45EE


14ニュージーランド6.29OC


15デンマーク6.22NE


16スウェーデン6.02NE


17フィンランド5.62NE


18、オーストラリア、5.61OC


19、カナダ、5.25NA


20ハンガリー5.17EE


21、ドイツ、5.05WE


22アイスランド5.01NE


23クウェート4.68ME


24、スイス、4.57WE


25ノルウェー4.54NE


26、ベルギー、4.28WE


27、エジプト、4.27ME


28スロバキア共和国4.22EE


29オーストリア4.22WE


30、オランダ、4.07WE


31ウルグアイ4.07LA


32、フランス、4.03WE


33イスラエル4.03ME


34、香港、3.97EA


35コスタリカ3.97LA


36パラグアイ3.95LA


37、ジャマイカ3.79LA


38ベネズエラ3.60LA


39トリニダード・トバゴ3.58LA


40キルギス共和国3.52EE


41パナマ3.38LA


42ルクセンブルク3.36WE


43チュニジア3.10ME


44、ヨルダン、3.09ME


45ルーマニア3.07EE


46、日本、3.01EA


47インドネシア3.00EA


48、韓国、2.99EA


49エルサルバドル2.76LA


50南アフリカ2.69SSA


51ブルガリア2.60EE


52スロベニア2.57SE


53ポルトガル2.47SE


54ポーランド2.26EE


55マカオ2.16EA


56キプロス2.08EE


57、ネパール、1.99SA


58、シリア、1.98ME


59モーリシャス1.97SSA


60アイルランド1.94WE


61、モンゴル、1.87EA


62クロアチア1.83SE


63ニカラグア1.83LA


64アゼルバイジャン1.81EE


65、イラン、1.80ME


66アルバニア1.73SE


67、トルコ、1.66EE


68ホンジュラス1.55LA


69アルメニア1.54EE


70、スペイン、1.49SE


71、メキシコ、1.48LA


72、タイ、1.35EA


73ギリシャ1.31SE


74、ブラジル、1.27LA


75タジキスタン1.21EE


76、中国、1.13EA


77エクアドル1.09LA


78マケドニア.99SE


79、イタリア、.93SE


80グアテマラ.92LA


81、チリ、.91LA


82、ペルー、.46LA


83スリランカ.45SA


地域

EA Eastern Asia and Pacific

EE Eastern Europe and Central Asia

LA Latin America and Caribbean

ME Middle East and North Africa

NA North America

NE Northern Europe

OC Oceania

SA South Asia

SE Southern Europe

SSA Sub-Saharan Africa

WE Western Europe


https://www.psychologytoday.com/intl/blog/living-single/201902/divorce-rates-around-the-world-love-story

psychology todayから引用

和訳しました。